山口県立美術館 YAMAGUCHI PREFECTURE ART MUSEUM

たか

香月 泰男 かづき やすお

1958(昭和33年)

油彩/カンヴァス

〈画家のことば〉
ある日、部隊に一羽の隼(はやぶさ)が迷いこんだ。子供の隼は体の具合が悪いと見えて飛べなかったので、飼うことにした。炊事場の残りものをエサに、足に紐をつけて飛べないようにしておいた。それが、ある朝行って見ると、隼は見事に紐をたち切って逃げていた。
自分の力で紐を喰いちぎって逃げた隼が羨ましく、飛ぶ羽を持たぬ自分が悲しかった。私達を縛っている紐はそんなにたやすく切れるものではなかったのだ。隼の生命力と飛翔力をより強く表現するため、隼を鷹の姿にした。

『シベリヤ画集』(新潮社、1971年)

香月泰男【かづき やすお】
生没年 1911~1974(明治44年~昭和49年)
山口県大津郡三隅村(現・長門市三隅)に生まれた香月泰男は、東京美術学校で油彩画を学び、美術教員の傍ら国画会を中心に作品を発表しました。1967年、太平洋戦争への従軍と戦後のシベリア抑留の経験を描いた「シベリア・シリーズ」により、第一回日本芸術大賞を受賞。その作品は今日も多くの人々を惹きつけています。

寸法 64.9×99.9cm
形状 額装