山口県立美術館 YAMAGUCHI PREFECTURE ART MUSEUM

アムール

香月 泰男 かづき やすお

1962(昭和37年)

油彩/カンヴァス

〈画家のことば〉
黒河へついた。アムール河を船で渡るとソ連領に入る。帰国の望みはほとんどなくなった。
冬に入った夜の河は、どこからか来て、どこへとも知れず滔々と流れてゆく。私はいい知れぬ不安と恐怖が、自分の背後からすっぽり覆いかぶさって来る思いで、闇の中の流れをみつめていた。
黒河の対岸の町、ブラゴベシチェンスクで、本格的な抑留生活が始まろうとしていた。

『シベリヤ画集』(新潮社、1971年)

香月泰男【かづき やすお】
生没年 1911~1974(明治44年~昭和49年)
山口県大津郡三隅村(現・長門市三隅)に生まれた香月泰男は、東京美術学校で油彩画を学び、美術教員の傍ら国画会を中心に作品を発表しました。1967年、太平洋戦争への従軍と戦後のシベリア抑留の経験を描いた「シベリア・シリーズ」により、第一回日本芸術大賞を受賞。その作品は今日も多くの人々を惹きつけています。

寸法 162.1×112.0cm
形状 額装