山口県立美術館 YAMAGUCHI PREFECTURE ART MUSEUM

あなほりにん 穴掘人

香月 泰男 かづき やすお

1960(昭和35年)

油彩/カンヴァス

〈画家のことば〉
ソ連がドイツから押収した機会を収めるための倉庫を作らされた。あのセーヤの森林伐採にくらべれば、はるかに楽な仕事だったが、倉庫の柱穴掘りは、おとろえた体にこたえた。もう冬が来て大地は固く凍りつき、コンクリートを掘るのと同じだ。一立方メートルの穴を掘るのに一人たっぷり二日はかかった。一人が一穴を受持って掘るのだから、あんまりさぼるわけにはいかなかった。こんな穴を掘らされて、殺されて埋められた中国人が沢山いたことを思うと、私達はまだよかったと思う。

『シベリヤ画集』(新潮社、1971年)

香月泰男【かづき やすお】
生没年 1911~1974(明治44年~昭和49年)
山口県大津郡三隅村(現・長門市三隅)に生まれた香月泰男は、東京美術学校で油彩画を学び、美術教員の傍ら国画会を中心に作品を発表しました。1967年、太平洋戦争への従軍と戦後のシベリア抑留の経験を描いた「シベリア・シリーズ」により、第一回日本芸術大賞を受賞。その作品は今日も多くの人々を惹きつけています。

寸法 72.7×116.8cm
形状 額装