山口県立美術館 YAMAGUCHI PREFECTURE ART MUSEUM

うえ

香月 泰男 かづき やすお

1964(昭和39年)

油彩/カンヴァス

〈画家のことば〉
食事時間が近づくと、炊事場の窓には飢えた顔が重なり合ってひしめいた。パンや飯を公平に分配するために天秤にかけるが、そこへ集中する眼は、まさしく「餓」そのものであったが、表面(おもてづら)は一見帝国軍人のようなそぶりを見せていた。
いつまでも満たされることのない飢え。理性も教養も、一かけらの値打を持たなく空腹感は、やがて帰国の汽車の中でも、ナホトカでも、日本の土を踏んでからさえ、しつこくつきまとった。

『シベリヤ画集』(新潮社、1971年)

香月泰男【かづき やすお】
生没年 1911~1974(明治44年~昭和49年)
山口県大津郡三隅村(現・長門市三隅)に生まれた香月泰男は、東京美術学校で油彩画を学び、美術教員の傍ら国画会を中心に作品を発表しました。1967年、太平洋戦争への従軍と戦後のシベリア抑留の経験を描いた「シベリア・シリーズ」により、第一回日本芸術大賞を受賞。その作品は今日も多くの人々を惹きつけています。

寸法 162.2×112.2cm
形状 額装