山口県立美術館 YAMAGUCHI PREFECTURE ART MUSEUM

てんこ(みぎ)(ひだり) 点呼(右)(左)

香月 泰男 かづき やすお

1971(昭和46年)

油彩/カンヴァス

〈画家のことば〉
1947年5月17日、シベリヤでの最後の点呼が行われた。いよいよ復員船恵山丸乗船の日である。これさえ通過すれば、もうだれからも拘束されることのない、自分の身体になるのだ、と思うと、はげしい空腹感もなくなった。汚れきった作業衣の中の、やせた肉体に感謝せずにはいられなかった。多くの友が故国を見ずして、シベリヤの露と消えて行ったのに、よくも今日まで持ちこたえてくれたと-。

『シベリヤ画集』(新潮社、1971年)

香月泰男【かづき やすお】
生没年 1911~1974(明治44年~昭和49年)
山口県大津郡三隅村(現・長門市三隅)に生まれた香月泰男は、東京美術学校で油彩画を学び、美術教員の傍ら国画会を中心に作品を発表しました。1967年、太平洋戦争への従軍と戦後のシベリア抑留の経験を描いた「シベリア・シリーズ」により、第一回日本芸術大賞を受賞。その作品は今日も多くの人々を惹きつけています。

寸法 (右)72.7×116.8cm(左)72.7×116.8cm
形状 額装